北海道行き④ 鮭の心臓

江龍武

2008年10月29日 21:18

二日目の昼食は標津が総本店のフランチャイズ店もある福住(ふくずみ)蕎麦で食べることにした。
席についてメニューを見たら、なんと「にしん蕎麦」があった。
にしん蕎麦は京都中心の蕎麦メニューで身欠きにしんを作る北海道では味わえない。
二年前「寿し処はんさく」に行った時、福住蕎麦の社長に会ったのだが、そのときお話させてもらったとき、どうしてにしん蕎麦をメニューに載せないんですかと言った事を思い出した。
「私も旨いと思うんやけど・・・北海道では・・・」ということだったが意見が採用されていた。
そんなことがあったので、にしん蕎麦を頼むしかないと思った。
甘く炊いた身欠きにしんは多分取り寄せだと思う、慣れ親しんだ味だったが、福住の甘めの少々濃い目の出汁には合わないように思った。
もう少し出汁を薄くしたらと思ったが、これはなかなかできないかもしれない。
でもあの社長ならと期待している。
とにかく、北海道の産物が地元で提供されるのは京都よりも自然な感じでよかった。

昼食前に漁協で、昼食後は丸徳水産というカニ問屋で生鮭やカニ他をお土産に買って、それまでに農協のスーパーでの買い物もあったし、ほぼすることはしたと思えた。
本当は、今回はもう一つどうしても手に入れたいものがあったのだが、漁協でもなかったし福住で訊いても漁協ならということだったので諦めていた。
それは、鮭の心臓。ホルモン屋ならサーモンハツとでも呼ぶだろうか。
以前標津の小料理屋で串刺しにして焼いたのを食べて以来、なんとかもう一度と思っていた。
塩コショウして焼くと歯ごたえがあってこれが美味しいんですよ~(生唾もの)

仕事も終わり兄がドライブに行こうと走り出したが、福住で「標津サーモン科学館」の割引券をもらってきたということで、そちらに行くことになった。
私は、しめしめと心の中で思った。
以前テレビで放送したのだが、「標津サーモン科学館」に隣接する土産物などを売る建物の中に魚屋があり、そこで鮭の心臓を売っているのを見たことがあった。

 サーモン科学館の外観。
右の塔の上に丸い赤いモニュメントが3個あるが、それが国後島から見えてロシア人があれはなんだと警戒したとかだが、後に、鮭の卵、いくらをデザインしたということが分かり安心したというようなことがあったらしい。


私は買い物を先にしたかったが、兄の意見に従ってサーモン科学館を見ることになった。
バンクーバーの対岸にノースバンクーバーという地域があり、そこにキャピラノ・サーモンハチェリーという鮭の人工孵化場があるが、そことこの標津のサーモン科学館とは姉妹館という関係でもあるので来るとノースバンクーバーの孵化場のことをいつも思い出してしまう。

館内で久しぶりに遡上してきた鮭も見たが、ドクターフィッシュという皮膚の角質を食べてくれる魚が面白かった。
その日は足を水槽に入れるのは駄目だったが、手を入れたら集まってきて皮膚に吸い付くようにして掃除してくれる。
暫くはこそばいというか妙な感じだったが、なれると快感になった。
やめて暫くしてから右手と左手を比べたら明らかに角質の感じが違うので、もう一度左手を入れて楽しんだ。
鮭の腎臓(背骨に沿った血合いの部分)の塩辛「めふん」の作り方や鮭のさばき方なども掲示されていたので写真にとった。

建物から出てからも少し周りを見て、やっとお土産の建物に。
もう、真っ直ぐ魚売り場に直行。
「あったー!!」
でも、生は色が変わるので送れないと言われどうしたものかと思っていたら、冷凍したのがあるということだったので、それでとにかくOKということにした。
送るのにそれだけではボリュームがないので、北海シシャモのキャペリンではなく本当の北海道のシシャモで雌の箱入りがあったのでそれも買った。

帰ってきてから思うのだが、鮭は生で送ってきているし内蔵も入っているから生の心臓でも送れたんじゃないだろうか。
今度また機会があったらなんとか送ってもらおうと思っている。

とにかく手に入れました(^^)

(つづく)


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