ターキーディナー

江龍武

2008年12月24日 22:35

10日ほど前だったか、地元の鶏肉店に行ったら、ターキー要らんか?と尋ねられた。
焼けるだけのオーブンがないと言ったら、4キロと2キロがあるけど2キロを二つ割にしたら焼けるん違うか?と突っ込まれた。
というのも以前大き目の鶏を半分にしてもらって、焼いて食べて美味しかったと言ったことがある。
観念して、久しぶりに食べてみたいこともあるし、やっぱりクリスマスはターキーだと注文しておいた。
アメリカ産のターキーで20日ごろ届いてそれから解凍して半分にしておくということだった。
一昨日全然連絡が来ないのでこちらから電話したら、注文通りの2キロのか4キロの二つ割の2キロかどちらにする?と訊かれた。
どっちにすると訊かれても小さい電子レンジのオーブン機能で焼こうと思っていたものだから入らないサイズを注文しても仕方がない。
それで、サイズを見てから決めると言って直ぐに店に行った。
4キロの丸のままを見せてもらったら、無性にそれを焼きたくなった。
「これが2キロの」と出てきたのはすでに注文したとおり二つ割になっていたので、やっぱりカナダで丸のまま焼いていたから、こうなったらどうしても4キロのを焼こうと頭が回転しだした。
兄が持ってるオーブンなら焼けると思いつき、よし4キロと決めた。
決めた声を聞くなり二つ割にしそうだったので、したらあかん!と必死の思いで声を出し丸のままで手に入ることになった。
そしてお金を払おうとしたら、4キロのはキャンセルをくらったということで、どうせ持ってても売れないから今年世話になったお礼に金はいらんからと、いくら払うといっても受け取ってもらえずもらうことになってしまった。
ターキーを手に入れてから妻と兄のオーブンを使うことで検討したが、3時間は実家にいる必要があるしそれもな~ということになり、どうしたものかと考えてたら閃いた。
カナダから持って返っていたオーブンにそのまま入れるロースティングパンがあったのを思い出した。
それをダッチオーブンのように使っては厚みがないのでうまくできないだろうが、小石に埋めるなり置くなりしてその小石を温めたら出来るんじゃないかと思った。
それで、戸外で薪を燃やしてタケノコを茹でるのに使ったアルミ製の釜の上に置いてみたら鍋には入らないので小石をその鍋に入れて置くことにした。
昨日は、その小石を買ってきて、妻はターキーに塩コショウをし今朝を迎えた。

釜に小石を入れ、ロースティングパンをその上に置き、ターキーを置いて蓋をしてどんどん釜の下に火をくべた。
時は午前10時30分。
途中パンの周りにも熱がこもるように瓦を回りに立てて囲った。
寒い日で焚き火は楽しい。
調子よく燃やしていたら突然瓦が音とともに崩れ落ち小石が焚口から出てきた。
何事かと思った。
我に返って見たら、空焚きのせいか鍋底が抜けていた。
どうしたものかと思ったが、小石にかぶさったのに薪は消えることなく燃えていた。
少しは直火もあったが、殆どはそれまでよりも強い熱気でパンの中で油がはじける音が聞こえる。
暗澹たる気持ちでいろいろ対策を考えたが名案は浮かばず、これならそのままでも焼けるかもしれないということで運を天に任せた。
少しでも熱がこもるように落ちた瓦をまたパンの周りに置いて一休みをかねて昼食にした。
昼食を終えてから出来てることにして、今度は焼き色を付けようとダッチオーブンのように蓋の上に炭火を置くことにした。
炭に火をつけるとして、まずそのために木を燃やすのに適当な容器はないかと周りを見て、写真の右にあるテラコッタの鉢から土を出して使った。
うまい事燃えたので炭を入れて暫くしたら、ピキッと音がした。
続いてまたピキッ。
またやってしまった。
テラコッタが湿っていたので、湿った土鍋を火にかけたときに割れるのと同じでヒビが入って駄目にした。
それでも炭には火がつき蓋に乗せて30分ほどだったか経ってから、焼けてる音も聞こえてたし香りも嗅いでたので、炭をどけて蓋をとって確かめた。
じゃじゃ~ん。
全体に焦げ目とまでは行かなかったが、うまくできたと思えた。
兄夫婦に半分やろうと切り分けた時つまんだら絶品。
これは夕食が楽しみと思った。
実際夕食時食べたら、カナダで何回も焼いたがこれが一番美味しい出来だと思った。
ロースティングパンを使ったので蒸し焼きになりジューシーになったし、薪と炭の遠赤外線による味というしかない仕上がりのように思った。
残念ながらカナダで慣れ親しんだクランベリーソース(つるこけももの実のジャム)がなかったが、ルバーブジャムをもらってたのでそれをつけたら甘さと酸味がよく似ていて意外にいけた。
柚子マーマレードは不味いことはないが、ターキーにはクランベリーソースという感覚があるのでちょっと違うという感じだった。
ターキーがうまく焼けていたので、今日は赤ワインを買って来て飲む方の準備も整えていた。
こんな時はやはりパン。
iku★ko さんのライ麦パンがよくあった。
カナダでのクリスマスを懐かしく思い出しながらしっかり食べた。

「てっさ」も食べながらというのがカナダと違ったところだったが・・・


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