排泄物理論
純米酒の稿で、酒の酵母菌は自分でアルコールを作り出すくせにアルコールに弱いと書いたが、これと、当時日本から隠して持ち込んで飼っていたメダカの水作りからヒントを得て、菌の育成に関するウンコ理論とか排泄物理論と名付けた考えがある。
理論というほど大層なものではないが、権威がある感じがするのでそう言っている。
菌が作り出すものは、菌の排泄物でそれに対して菌は弱いというだけのことだ。排泄物による自家中毒のようなもので高濃度になると休眠するか突然高濃度になると死ぬというように決めた。
アルコール酵母菌はアルコールを作り、ワインなら14度で、日本酒なら18度ぐらいで休眠に入る。この差は菌が活躍している環境にあるようだ。いずれにせよ、20度にもなるとほとんど死ぬことになる。
糖分がアルコールになると、高濃度ではだめだが適当なアルコール度数なら今度はそれを食べる酢酸菌が活躍する。酢酸菌は酢酸5度ぐらいで活動を停止する。酢酸の次の菌のことは知らないが、とにかく細菌叢ではそのように菌の休眠と活動が繰り返されて平衡を保っているのだろう。
以上のような考えで、菌のコントロールは上手くいく。
例えば、水槽の水替えだが、最初の水位を保つように水を足していたら平衡が保たれるので何の問題もないが、水を替えたい人は最高で4分の1ぐらいが菌の平衡を保ち異常増殖をさせないために無難な量だろう。新しい水を入れることで、新しい水に含まれている栄養分とそれぞれの作り出した排泄物の濃度が薄まることとで、菌はまた休眠から覚め活動しだす。それが、短時間で終わるほどの活動なら問題ないが、数日にもわたると酸欠になり魚には辛い。餌のやり過ぎは菌にも餌をやってることになるので水が澄んでるように管理するのが平衡を保つ目安となる。にごっている時は何らかの菌が活発に活動している。
先日のEMが良いからと入れるのも危ない。新しい菌によって平衡が壊れるのでもし入れたいなら、魚を違うところに移してから入れることだ。それで10日ほど見ていたら分かるが、水が白濁してくることが多い。その間は新たな菌が増殖しまくってる時で、これまた魚には酸欠状態となるのでもし魚がいたら死ぬことになる。白濁がおさまって水が澄んだら新しい平衡状態になったから魚を戻しても問題はないはずだ。
根粒バクテリアが根にいるマメ科植物に窒素をきかすと枯れることが多い。母がエニシダの根元に草引き後の草を積み上げて随分と枯らした。緑草はすごい窒素分を供給する。根粒バクテリアは窒素固定菌だから、たぶん窒素肥料には弱い。
しかし、根粒バクテリアが死ぬか弱るのは分かるが、どうしてマメ科植物が枯れるのだろう。マメ科植物にも少し窒素を与えたほうが良くできることを思うと、窒素を根から吸収する力があるということだし枯れるのはおかしいと思うが、根粒バクテリアが死ぬとバクテリアの死体が導管に詰まって枯れるのだろうか。松枯れ病はマツノマダラカミキリ虫が運んだマツノザイセンチュウという線虫が仮導管に詰まって枯れる。それと同じようなことだろうか。それとも、根粒が腐ってそこからマメ科植物の根が腐り枯れるのだろうか。それともバクテリアの窒素固定で充分なところに窒素肥料を与えたので肥料やけという過剰栄養から起こる浸透圧により根から水が出て脱水で枯れるのだろうか。前提条件の窒素固定菌が死ぬと言うのが間違っていたら話にならないが、う~~ぅっ!答えが知りたい。とにかくマメ類を作る時は窒素肥料の与えすぎは厳禁である。
窒素固定菌ではこんな話もある。
南洋の原住民のお腹には窒素固定菌もいて、タロイモを食べていても筋肉質の体になるそうだ。それで、それを発見した学者が窒素固定菌を飲んだが、住み着かなかったそうだ。腸内まで生きてたどり着けるかどうかと言う問題もあるが、それは当たり前だと思う。成功するかどうかは分からないが、まず、たんぱく質を取らないような生活をしてその菌のために腸内を窒素分の少ない環境にしてやらないとたどり着けたとしても駄目だと思う。
畑の土作りもメダカの水環境も漬物も挙句の果ては口の中も腸のなかもいつも菌の存在を考えながら生活している。
(まだまだ充分考えが検証されてませんし知識不足です。間違ってる可能性大かもしれません。ご了承ください。)
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