インプラント
今日は午前中に予約を入れてあった歯医者さんに3,4ヶ月に一回お願いしている定期健診とクリーニングに行ってきた。私は健康診断に行く気はないが、歯だけは熱心に行くことにしている。
大津市の唐橋近くにある野玉歯科医院まで車で40分近くかかるが行っているのには理由がある。
私は今から16,7年前カナダで奥歯を一本失うことになったのだが、その時インプラントにしてもらった。
インプラントは日本語で永久歯根と訳す。それで、永久というのだから老人になった時、入れ歯を支える基礎として使えると考えた。カナダのインプラントの専門家もずーっと持つようなことを言ったし、一本30万円ほどしたが、することにした。
ブリッジは前後の健全な歯を削るし、ブリッジをした年取った知り合いが、今度はその歯がぐらぐらになったとあまりブリッジも感心しないようなことも言っていたので決めたこともある。
歯を抜いてもらいそこの穴が盛り上がってくるまで半年以上待ち、それから骨に穴をあけアンカーを打ち込み、それにカルシウムがまいて固定するまでまた半年ほど待ち、それからその台につける歯を作ってもらうのに型をとりと約一年半近くかけて出来上がった。
やっと待ち望んだ歯ができたのだが、夢は無残なものだった。
インプラントの歯というのは骨に直接埋め込んであるので、物を噛んだ時、クッションは少しあるものの、自前の歯のように沈まない。一本だけだから特に違和感があったようだ。
歯茎からチタン製の細い円柱がでてるのだが、その歯茎の所を常に綺麗にしておく必要がある。そこに歯石などがたまるとそこから菌が入って下手をすると血管が近いので敗血症になるおそれもある。実際それで亡くなった人を知っている。ところがそんな大事なことだが、そこの所を掃除するのに歯間ブラシを使うが、前からはともかく後ろからが奥歯なので大変した。
たまに変な噛み方をするとずきっと痛みが走ることもあった。
他にもいろいろあったが、そんなこんなながら12年ほどしたら、今度は噛む度に痛みがひどく使い物にならなくなっていた。
インプラントをしてくれたドクターに診てもらいに言ったら、12年も持ったかという感じで歯槽骨も前と変わってないし口をこのように動かしてこれで消毒したらどうだと薬局に行かされた。
それがまた強い薬で日本では使わない代物というのが妻の日本人の歯医者さんに聞いたら分かった。とにかくそれでも治らなかった。
それで、友人のROさんが日本でインプラントをしてもらって快調に暮らしていたので尋ねたら、日本の先生に尋ねてくれ、滋賀県なら野玉歯科が私の先生の弟子だからそこに行ったらと紹介してくれた。
日本に引き上げるまでインプラントでは噛まないようにしてだましだまし暮らしていて、日本に戻ってから早速診てもらいに行った。
アンカーが浮いているのがレントゲンで分かり、これは使い物にならないと抜いてもらったが、アンカーに肉がまいていた。痛い筈だ。
とにかくまたインプラントにするしないはともかく、その穴が骨でふさぐまでは部分入れ歯をつけることになって型を取ってもらって、お抱えの技工士がそこには二人もいるので1週間もしないうちに部分入れ歯ができた。
日本では針金が付いている普通のものだが、カナダではそんな簡単な入れ歯は作らない。白人の考え方は硬いものもしっかり噛める歯であるべきなんだろう。自然はねじ伏せるもので、自然を受け入れるという日本人のような考え方ではないということか、なんて思った。
最初は頼りなく思ったが、一代目の部分入れ歯がゆるんだとき改良型の二代目を作ってもらったら、調子がよい。
今のインプラントは当時よりもっと良いのかもしれないが、部分入れ歯は手入れも簡単だし、インプラントはもうしないことにした。ちなみに私のタイプは今はなくなったそうだ。
野玉歯科はカナダの歯科医院のやり方と同じで、予防を基本においている。歯槽膿漏にならないよう歯のクリーニングで歯石をとって歯の健康を守ってくれる。歯の衛生士が3人はいると思う。3ヶ月に一回診察時期到来のお知らせが葉書でくる。あちらでは電話だったがこれもカナダ的で気に入っている。
カナダでは一回クリーニングに行くと1万円強は軽くした。日本はたったの2千円あまり。日本は歯に保険がきくのでありがたい。カナダのことを思うと何回行っても安いと思う。
皆さん、口腔内の衛生は病気にならないためにも大事です。日本は本当に安いですから行った方がいいですよ。
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