ワイン

江龍武

2007年10月28日 13:43

日本酒のことを書いたらやはり次はワインについて思ってることを書くのが流れというものだろう。
値段のことを気にしなかったら、今ではバンクーバーでも日本酒はいろんなのが飲める。日本からの輸入物もあるし、アメリカ産の日本酒もある。純米酒もあるし、濁り酒もある。
1980年代は月桂冠がほとんどで、他の銘柄を飲みたかったら、シアトルにある宇和島屋という日系人経営の大きなスーパーマーケットまで買いに行くしかなかった。しかし、カナダに持ち込むとき目玉が飛び出るぐらいの税金がかかる。車で片道3時間ほどだが、税金のことを考えるとおいそれと買いに行くわけにも行かない。
それで勢いワインかビール(それにウォッカ、ジンといったスピリッツ類)を飲むことになる(。要するにアルコールなら何でも飲んでいたと言うことですが、蒸留酒ではなく醸造酒はワインかビールと言うことです。)
ワインの産地としてカナダのブリティッシュコロンビア州のオカナガン地方は世界的にも有名である。一度ワインの醸造所を巡るツアーに参加したが、大小様々のワイン製造元があった。税金が高いのでおどろくほど安いということはないが、一本千円ぐらいからある。
さて、そのワインだが特に赤ワインは抗酸化作用のポリフェノールが多く含まれているというのでテレビの健康番組でもよく取り上げられる。
しかし、本当に健康に良いのだろうか。カテキンもそんなことを言われているが、カフェコロンの新谷先生はお茶を飲みすぎると胃腸の粘膜を荒らすと言っている。
BC州では醸造酒を家で作ることは違反ではない。それで、ワインやビールを家で作る人が結構いる。スーパーでもワインやビールを作るキットが売られているほどで珍しいことではない。
そんな環境だから、私もワインを作ってみた。
ブドウの濃縮ジュースを買ってきて大きなプラスチック容器にそれと水とコーンシュガーを入れワイン専用の酵母菌を投入して約一週間荒醗酵させた後、密閉容器に移しその蓋のコルク栓に醗酵栓という醗酵中のガスを逃がし外気は遮断するものを取り付け、後は20日ほど待つ。
醗酵中の容器に耳をつけると、しゅわしゅわしゅわぷしゅっ、とか何とも幸せな気分になる音が聞こえる。
そうして出来上がったら澱を入れないようにビン詰めしてコルク栓を打って出来上がるのだが、残った澱混じりのワインを捨てるのももったいないので日本酒をお風呂に入れるように入れてみた。
とにかく香りはすばらしい。お風呂に入って悦に入っていたが、風呂から上がって感じたのだが、日本酒ならしっとりするのにワインでは肌がかさかさになっている。
これは、もしかしたら体の中でも起こるのじゃないかと考えた。粘膜は表皮とは違うとはいえ、その可能性は否定できない。
それ以来、その自分勝手な考えでワインより日本酒の方が体に良いとしているが、相変わらずカナダではワインを飲み続けていた。
帰国してから、カナダで二人の同年代の友人が亡くなった。
どちらも独身でタバコを吸っていたし、安いワインを沢山飲んでいたという共通点がある。
二人とも癌だった。
日本に帰ってきてワインのビンのラベルを見たら、安いワインにはソルビン酸Kという保存料が入っているのに気がついた。
厚生省は認可しているが、このソルビン酸Kが発癌性物質であることは広く知られているはずだ。
そんな発癌性物質とアルコールを同時に取ったら癌になるのも頷ける。
去年友人がオカナガンのワインを送ってくれたのだが、信用の基となる品質基準のVQAなるラベルが付いているのでさえソルビン酸Kが入ってるのには驚いた。
ポリフェノールがどうのこうのという以前にこのソルビン酸Kのことをまず言ったらどうだと思う。
ちなみに従来のワインは酸化防止に亜硫酸塩を使用している。何百年もそれでやってきて人体実験をしているようなものだから、害がないのだろう。が、昔フランス人にはすい臓癌が多いと読んだことがある。
けちをつけるわけではないが、日本では湿度が高いのでワインの芳香が立ちにくいというようなことも読んだことがある。また、赤ワインは室温で飲むのがよいとされるが、空調の聞いた今の家はともかく日本の家屋では夏は暑すぎ冬は寒すぎる。しいて常に飲むほどのものではない。
以上が、健康のことも考えるなら、ワインよりお風呂に入れるとお肌すべすべになる日本酒(そのなかでも純米酒)を推す所以である。飲みすぎたら一緒だけど・・・


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