プロローグ

江龍武

2007年08月25日 14:17

1991年、湾岸戦争が始まった。当時私はカナダで日本人観光客相手の店をしていたので大きな影響を受けた。ご存知のようにあの戦争はイラクとアメリカの戦争のようなものなので、国際線でも特にアメリカ大陸への旅行者が激減した。
そのことを母に話したら、母の緑内障のため妹が本屋で見つけ母に勧めて試していたESP科学研究所の本とテープを送ってきた。
今でもあると思うが、ESP科学研究所は亡き石井普雄(かたお)先生が啓示を受けて始めたものだ。一度石井先生の講演を気が使えるようになってから聴きに行ったことがあるが、すごい重量感のあるパワーを感じ感服したのを覚えている。
話は私に戻るが、母が送ってくれたテープは石井先生のあぁーーーーーーーっというような声が入った有音サイドと声のない無音サイドで出来ている。このテープを店に流すと繁盛するというふれ込みなので無音サイドを店に流し巻き戻すのもなんなので有音サイドをイヤホンを使って自分で聴くということを繰り返していた。
それと並行して「最後の超念力」という送ってきた本を読んでいたが、読んでるだけで身体が熱くなった。
そうこうする内に、その本に書いてある金粉が出るとか本のカバーの金色のマークが消えるということが自分にも起こった。
私も理科系の大学を出た人間だ。そんなことを素直に信じるほど単純ではない。まず周りを見渡しなにか金色をしている物がないかチェックした。それから手を洗いこぶしを作りなんにもふれないようにして30分ほどして見るということを何度も何度も試した。何度試してもその行為をあざ笑うように金粉は私の手の平に出現した。
金粉といってもボールペンの先ぐらいの大きさで本当に金で出来ているかは分からないが、セロテープで引っ付けて取り紙に貼っておくといつまででもある。笑い話のようにそれを友人に幸せの金粉といっては渡して遊んでいた。
それと並行して本の金色のマークが薄くなった気がしていたら、いつの間にかきれいに隅々まで金色のマークは真っ白になった。
信じるしかないか。頭はどうしても納得しない。しかし実際目の前で起こってるじゃないか。仕方なくというか、科学する心は現実を直視することだと受け入れた。心はそんなことが自分の身に起こったことを喜んでいたように思う。
それから1,2ヶ月友人知人に本を貸したりテープを聴かせたりしてこの話題でしばらく話に事欠かなかった。


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