気の鍛錬
治療をするかたわら、自分の気の鍛錬にも努めていた。
気功の訓練には内気功と外気功、小周天と大周天というようなものがある。詳しいことは先生がいないので分からない。私の知識は仙道入門と阿含宗の桐山氏の書いた求聞持聡明法および西野皓三氏の気の発見という本からだし、自分で我流で試しただけだから正しいのか間違ってるのかも分からない。
そんなことだが、とりあえず熱感としてあるいはぴりぴりとした電気的な感じおよび磁石の反発のような気の感覚はあるので身体の中を本に書いてあるように熱感で動かしたり電気的に動かしたりしていた。丹田で熱を出し肛門の方に持っていって背骨に沿って上げて頭頂に至り前の正中線に沿って下ろしてくるのだが、なかなか首から頭頂にかけてが上手く行かなかった。
本に書いてあったが、頭の部分を動かすときは熱では脳に悪いので電気的な感覚で動かさないといけないそうだ。また空車がまわるといって思い込みで廻してしまうことはくれぐれも気をつけないといけないそうだ。
あせってはいけないと何度も何度も挑戦してるうちに関所を乗り越える日がやってきた。首の根元の塊のようなものがついに扉を開いて侵入を許してくれた。
それ以降、暫くは背骨に沿って上げ頭頂で一度保持し前に下ろしてとやっていたが、ある時身体の前から後に向けて一周廻すというよりあたかも体は太いパイプで上げ下げだけで身体全体に気が行き渡るようになった。もちろん意識的に廻すこともできるがそんな必要もないと思った。
気を取り入れるときは息を吸い、気を放出するときは息を吐くときに合わせる。
余談だが、治療中はだから長く吐く息が要求される。私の場合治療中は一分間に約2回息をするが、30秒以上息を吐いて1,2秒吸い、また30秒ほど息を吐く感じでやっている。催眠術は一分間に5回ほど息をするのがよいということを女性を口説くのが上手な知り合いKさんに聞いたことがある。それは私のような長い息では相手がついて来られず催眠状態にならないという説明だった。そう言われると私の患者は治療中覚醒している。覚醒していると私の動きで気がそれるといけないと思い、いつの頃からか目を閉じて受けてもらうことにしている。
それはともかく、息を吐くように身体から気を放出するとき、身体は内部から圧力を加えられたように膨張する感じがするようになった。
そして私が第3次成長と呼ぶ変化が身体に生じる。
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