治療中の声

江龍武

2007年10月15日 19:09

私はテープの石井先生の声を真似してスタートしたから、同じような声を出すように努めていた。声を出すと、腹に力が入り気も強く出せるように感じていたし、呼吸のコントロールにも便利だった。腹式呼吸でないと出せないが、とにかく吐く息を長くしないと気を出し続けられないので、これ以上出せないと言うところまで声を絞り出したり、途中で引っ込んだお腹をまた意識的に膨らませたりいろいろ試していた。
状況によっては声を出せないので無言で気を出すよう練習もしたが、それも最初は声を小さくして身体に響かす感じでしていた。
テープの声が共鳴するようになったことは以前書いたが、テープの声なしでも同じように共鳴したような音がある日しだした。
始めのうちは、あ~~という音に違う音が一種類入ったような声になった。
喉が痛くなるほど声を出していたので、何度も声帯がおかしい感じになったが、その都度すぐに治るのでまた声帯の限界かと思うほど負荷をかけた。
そんなことを繰り返していたら、音も3種類、4種類と言う感じで混じりだしていた。最後の方は鐘の音というか鈴の音というのかそんな音が混じりだした。それが出た方が良いかと思い、それからは何とか出すように発声に気をつけるようにした。
ある時、私の声が共鳴したような音として出るトーンが治療相手によって違う気がした。そう感じてから、音階を段々上げていってその人の振動を掴もうとするようになった。
これがまたなかなか大変だった。と言うのは、声が当時出せないような高い音で初めて共鳴したと思える人が出てきた。これを克服するのにまた声帯に負荷をかけなければならず、八代亜紀が声帯の手術をしたことを思い出して大丈夫かと思ったりしていた。
作家の桐島洋子さんはバンクーバーに別荘があり一年に一度は来られていたのだが、親しくさせていただいていたANさんを通して紹介され、食事に呼ばれたりしていた。
桐島洋子さんもこの振動の高い方で、始めて気を入れさせてもらったとき共鳴できるだろうかと心配になるほど高い音で合わしたのを覚えている。
その時だったか、当時ご主人だった勝美洋一さんが音響機器の開発に関係されているとかで声を録音して日本で調べてくださったことがある。
それによると、私の声は倍音を出していることが分かった。昔から、天使の声と言われるのも倍音と言われているそうだ。倍音のことは知らなかったが、それが分かってなんとなく納得した。ただ、その音を分析した人が、こんな声を出し続けていたら声帯を壊すし頭がおかしくなるから止めたほうがよいと言ったということだった。
それを聞いてどうしようと思ったが、考えるのから逃げるのではないが、今までの経過から目に見えない存在に導かれてるように思っていたので、こういうときは神任せにするということでそれ以降も続けている。
今は音階を上げていって合わすということはない。神の振動は分からないが、犬も含めて人間の振動なら同じ声でほとんど間に合うと思っている。


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