お召し列車

江龍武

2007年11月12日 15:45

今天皇が滋賀県においでになっている。
今日は、信楽の陶芸の森へお越しになるとかで、草津線をお召し列車で通られるという情報が耳に入っていた。
お召し列車などというものを見るのはこれが最初で最後かと思い、見に行った。
線路の際まで近づけると思っていたが、甘かった。
若い警備の人がそれ以上近寄らないよう制止していた。
機動隊に入っていると駆り出されるとかで、兵庫県から来ているということだった。このために一週間まえから準備していたということも聞いた。
草津線の線路沿いに随分前からコンクリート製の枕木がずらーっと並べられていたのもこのためだったらしい。
乗り心地を良くするために枕木全部を取り替えたということだ。
これでは、お上には下々の生活振りは分からないはずだが、乗り心地が良くなるならそれに越したことはないから単純に喜んでいる。出かける用事を作って近いうちに乗ってみよう。
どういうわけか、小学生のころ天皇は働いていないと思っていた。それで、働かない生活というのはどういうものだろうと興味を持ち続けて成人した。私の人生はその働かない状況を作り出すために働いていた気がする。
43歳で店を止めた後、リタイアのような生活をしていた。ちょっとだけ会社を持ってる友人に頼まれて手伝ったりしていたが、それも本当に短い期間したに過ぎない。
その時、このブログに書いてるようなことをいろいろ考えたのだが、天皇職は激務だと我が身に照らしてつくづく思った。
予定の時刻に近くの遮断機が降りたので、もう来ると見ていたら、枕木を換えたおかげか音もなく白い、草津線には似つかわしくない、「はるか」と同じ車体だというお召し列車が姿を現した。
どこに座っておられるのかも全く分からなかったが、おそらく手を振る我々に列車の中から手を振ってて下さってたことだろう。それが、延々と続く。激務だと改めて思った。
帰路もお召し列車の通過があるようで、小雨の振る中、警備の人が線路をずーっと見張っていた。


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