KHさん滞在記②

江龍武

2007年11月27日 17:57

食事をしながら明日はどうしますということで、今日は山の方に行ったので、25日は琵琶湖の方に行こうということになった。
やはりこの時期はモミジの紅葉を見るのがよいと思い、紅葉が綺麗だと聞く坂本の日吉大社を訪れることにした。時間があったら、その後は、妻の発案でNHKで放送された朽木村の興聖寺のもみじを見に行くという予定になった。
朝ゆっくり出発するものだから、坂本に着いたのは11時半ごろだった。
先日カナダから来た紳士Aさんのとき行列を見て諦めたので、今回はお昼まで半時間もあるが先に鶴喜そばを食べるのが並ばなくてよいだろうと決めたが、その考えは甘かった。交差点から行列が見えるし交差点の角にある駐車場にも空きはないのが見て取れた。
とりあえず車をまずどこかに駐車しなければならないので迷いながら走っていたら、以前停めた事がある所に来た。看板に、ここのセンターに用事のある車以外はご遠慮下さいとあったが、京都ナンバーの車もあったし、カナダからの来客を案内してることもあるので堪忍してもらうことにした。
全員なんとなく用事があることにしないといけない気持ちだったのか、Hさんは建物の方に歩いていきかけていた。私の視野にその隣に建ってる公衆トイレが目に入ったので、用を足すのも用事だということで全員そこを使わせてもらい、それで心理的にも解放され、その足で鶴喜そばの列に並びに行った。
柱にぶら下がってる紙に名前を書き込み呼ばれるのを待ってる間に、メニューも外に張ってあるので決めておくことにした。
忙しそうだから同じものを注文することにして、全員大名オロシそばにした。
そんなに待つまでもなく順番が来て、中に入り注文してやってきた大名オロシそばは、海老天が一つとオロシが載った一見貧弱に感じるものだった。大名というならもう少し器も良いのにして欲しいし、海老天も二つは載せて欲しいと思った。目は喜ばなかったが、味は良かった。海老天も上手に揚がっていた。行列のこともあるので食べ終わってゆっくりはできず、外に出たら、すごい数の人が待っていた。半時間早く行ったのはやはり正解だった。
参道の紅葉も良かったが、日吉大社内の紅葉はすばらしかった。黄色に赤色が重なり、ちょうど良い方向から日が差しまばゆいばかりだった。西本宮では手をあわせ、土鈴をお土産に買い、東本宮を見て車に戻った。
朽木村への鯖街道の途中、捜していたブルーベリーフィールズ紀伊国屋という所を見逃したので、突然現れた観月という喫茶店に立ち寄った。
入口へのアプローチには石灯篭が両側にずらりと建ててある。石の手水鉢だろうかそれも入口に向かって小さいのから大きいのへ、これまたずらりと並べてある。なかに入ると椅子とテーブルはケヤキの臼を加工したもので重くて動かすこともできない。足の納まりが悪くても諦めておとなしく座ってるしかない。
注文する前に、ここは石屋さん経営ですか?とかこの椅子変わってますねとか、つい質問してしまった。趣味で集めたものらしい。土間の横に畳の部屋があるのだが、そこには豪華な感じの内掛けが2枚展示されていた。
コーヒーを頼んだが、ぼた餅も食べようという話になってKHさんとHさんが食べられる食べられないで注文する数に悩んでいた。
そのぼた餅は今まで見たこともない大きいものだった。ぼったん餅と呼ぶのが似合っている。普通さいずの3倍はあると思う。オーナーの女性はころころとした体格の人だったが、多分自分が食べて満足するサイズにしたのだろう。
切って食べたらよいということになり、4人で二つ頼んだ。食べきれるか全員不安だったが、甘味もほどほどでくどくなく、なんなく食べられたのには驚いた。あのぼったん餅は美味しいと思う。甘党でない私が言うことだから自信はないが、他の三人も美味しいと言っていたから美味しいに違いない。
ぼったん餅に感嘆していたら、これまたころころの妹さんとおぼしき女性がお茶を出してくれた。
オーナー姉妹を含め置物や椅子、テーブル、壁の飾りは重量感のあるものばかりだったが、サービスは細やかだった。なにか立ち寄って違う世界を見て得をしたような満足感が残った。
それからまた鯖街道を30分ほど走ったら目的地の興聖寺に着いた。
NHKで紅葉を紹介していたのだが、映像ほどのものではなかった。それでも門外漢の私にも庭は小さいながらに由緒があるように思え、楽しめた。
重文の仏像が見られるということで参拝料を払って本堂に入れてもらった。
須弥壇(しゅみだん)に登ってもよいということで、本当に近くで見ることができた。大きな木魚がでんと仏壇の前に置いてあったので叩きたくなる心を抑えるのに一人苦労していた。
こんな所はなかなか来れないとそれなりに満足してもらった。


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