忙中閑あり

江龍武

2008年04月19日 22:13

伯母の入院で、全員臨戦態勢だが、それなりにいつもの日常をしている。
妻は昨晩病院に泊まったのだが、妻に代わるため母が私がまだ寝てる間に病院に行っていたらしい。
家が静かだと思いながら歯を磨いていたら、「起きてるの?」という妻の声がしたので「あれっ!」と思い「病院は?」と訊いたら「お母さんが早く来てくださった」という答えが返ってきて母が寝てる間に起きて出て行ったのを初めて知ったようなことだった。
静かなはずだった。
毎土曜10時にある電話治療をしてから、妻に「竹の子を掘ってくる」と言ったら「手伝わんでいいか?」と一応気にして言う。
手伝って欲しいと言ったらどうするつもりだったんだろう。
この辺が長年養ったアウンの呼吸というものなのかもしれない。
「一人でできるから早く寝た方がええで」と言って出陣した。
いや~本当に今年は出ます。
去年一本も出なかった場所を見に行ったらぼこぼこあった。
そこだけで20本近く採った。
誰かが盗みに入ってるようで竹の子を採った穴が数箇所あったが、断りなしに入ったことは不愉快だが、盗られたことはあまり気にならないほど今年は出ている。
それにしても我々の小さかった頃は、道の際に無造作に生えてる渋柿の木でもあれは誰々さんの柿の木とかあそこの藪は誰それさんのとかと言って所有権者を知っていたし他所から来る人はともかく地元のものは手を出さなかったものだが、いつからそれが崩れたのだろう。
里山という響きのいい言葉が独り歩きして里山とは皆のものという理解になり入会権(いりあいけん)という言葉を知ってる人が少なくなったのだろうか。

広辞苑から
入会:一定地域の住民が特定の権利をもって一定の範囲の森林・原野または漁場に入り、共同用益(木材・薪炭・まぐさなどの採取)すること。
入会権:入会地を利用する権利。
入会地:一定の人々のあいだで入会の権利が設定されている山野・漁場など。

バンクーバーでは大学の敷地や公園でワラビごときものでも採ってるのを見つかると罰せられる。
公共の場所にあるものは全て公共のものであって個人に所有されるのはおかしいということだろうと理解していた。
日本はそこまで厳格でないように思っている。
入会権のある場所でもワラビぐらいは怒られない。小さい自然生えの草木も多分大丈夫だろう。しかし、松茸は絶対許してもらえない。竹の子は微妙な気がする。
しかし、今回は私有地だ。
とまあ話を難しくもって行ったが、手入れされてる竹林ではないし勝手に生えてるような感じだし採りたくなるのも分からないではない。
「あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい」のようなことをキリスト様に言われたら私には投げられない。

今日は時間があまりなかったので30本。
家に3本残して、母の友達、親友の実家や親戚に竹の子を欲しいかまず電話で確かめ病院に行く前に配達して回った。
皆その大きさとゴミ袋一杯の竹の子に目を丸くしていた。
病院のMKさんの横のおじさんが昨日竹の子堀りの話をしていたら「わしも欲しいな~」と言ったのでその人にもどさっと届けた。
それで今日の掘ったのは全部なくなった。


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