何かの縁

江龍武

2007年09月14日 14:04

昨日病院で父への日課をこなしたあと、車椅子を所定の位置に戻しに行ったら、談話室に先日気を入れてあげたMさんがいた。
Mさんと最初に話したのはエレベーターの中だった。右足に大きいギプスをして車椅子に乗っておられた。ちょっとユニークな顔立ちに無精ひげのせいか何故か声をかけてみたくなった。病院にほぼ毎日通っているが、そんなに誰にでも声をかけることはない。
その時は、どうしはりましたん?ちょっと事故しましてん位の簡単な会話だった。それからも父を車椅子で談話室に連れて行ったときよく出会い妻も一緒にとりとめのない会話をしていた。
ある日母が病院に行った時、談話室でMさんに出会い話してるうちに母が誰かMさんは分かった。Mさんは同じ町の人だったので母もMさんのことを思い出すことになった。暫く出あってなかったので分からなかったようだが、絵画教室で一緒に絵を習った人だった。
そんなことを母が帰宅して話した後、私が病院に行って車椅子を取りに談話室の前を通ったらMさんがいて手招きした。
そして上記のようなことを今一度聞いたのだが、さらに驚いたことには、妻の両親とも親交があって妻の実家にも度々行っておられたことが分かった。妻も後から病院に来てその場に加わったのだが、それにはびっくりしてその夜、実家に電話してお母さんにMさんのことを訊いていた。
そんなことで何かの縁を感じて、ギプスも取れてることだし気を入れてさしあげましょうと申し出た。突然言ってもこういうことは気味悪がられるので丁度父へ私が何をしてるのかという話になった時さりげなく言った。気というものを知らない方に押し付けがましくないように言って、して差し上げるのは変な話だがなかなか気苦労がある。
ギプスも取れてると書いたが、ギプスの時は気は入れないほうがよい。それはお医者さんの予定より早く治るので固まってしまうためだ。ギプスを早く取ってくれるよう頼める勇気のある方は入れてもよいがまずこれは無理だ。カナダで知り合いが手を折ったときは途中でかゆいと言って半分にしてもらったケースがある。やはり思ってた通り早く治った。
それはともかくその時は話しながら手をかざすようにしてしたのだが、足首のところが熱を持ってるように感じ、また腫れてもいるようだった。
次の日もMさんに出会ったら、腫れもひいてごろっと変わりましたという報告を受けた。それが気の効果ですわ、そうですかこれが気ですか、なんて分かったような分からないような会話をした。
それで昨日はもう一度しましょう、うれしいな~ということでやったのだが、今度は本格的にということで少し離れて気を入れた。そのあと私が気を人に入れて生活してるのか訊かれたので、これは趣味だと答え、気の話から始まり治療をしてる過程で考えたことなどを話して別れた。
そこまでは私の生活ではよくある話だが、帰宅するため車に乗ってから母が贔屓にしているカシワ屋のBさんを治療しに行かないととやけに思った。こういうことは珍しい。方向が少しだけ逆になるので面倒な気がしたが、何時になく行かないと駄目な気がしたので決心した。Bさんには去年夏ばてということで母が心配して一度診てあげてくれといったので気を入れに行ったことがある。その後ももう一回してやってやと母に言われてたのだが、何故か行かなかった。
Bさんの店に行って暇やったら治療しましょうかといったら、身体はともかく今はこの指がと近寄って来られた。近所の人がマムシを掴んで持ってきたのを、掃除してたら、歯が指に当たってちくちく痛いという話だ。死んでるからどうもないと思うけど・・・とちょっと不安そう。
マムシの毒に効くかは初めてなんで分からんけど、一回試してみようということで気を入れてみたら、指が痺れてるように感じた。これちょっと痺れてるけどといいながら5分もしないうちにふっと感覚がなくなった。軽く・・・の か を言おうとするのと同時にBさんが軽なったと言った。
このケースはマムシの毒に効くというより、ほっといても痺れがなくなったのだろうが治癒時間が早まったケースだと思う。そんなことでとにかくマムシの方は一件落着したので、それじゃ身体をみましょうかということでやってきた。
私の治療時は受け手に目をつむってもらう。私も目を閉じてする。それで治療中は知らなかったのだが、終わってから膝に乗せていた右手が後ろに引っ張られていったということだ。何かが治るためにはそうならないといけない原因があったとしか言えない。
帰宅して母に報告したら、あの子はそんなこと信じるような子やないけどびっくりしたやろなというコメントをもらった。


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